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外反母趾の痛みで来られた方です。

外反母趾とは、外反母趾ガイドラインの定義によると外反母趾角が（HV角）２０度以上を外反母趾と定義しているため、まだ、外反母趾とは言える状態ではありませんが、外反母趾の重症度の指標とされる外反度は１０度〜２０度であるため１度に分類されるような方です。

しかし、症状としては長時間の歩行中、歩行後など左の母趾の付け根へのひどい痛みに悩まされているとのこと。そのため、これまでも様々な保存的治療を行われてきたとのことでした。

そこで、様々な静的、動的な評価を実施してみました。
その中でも注目したのは、フットプリントの結果です。
当院ではフットプリントを採るときには「両足立ち」の場合と「片足立ち」の場合の２パーンを採ります。
そうすることで、人が歩くときの両足が着いている時と片足を着いている時の状態を把握できます。

結果は以下の通りです。

左足を観察すると、両足立ちの時の母趾角度（緑）から片足立ちの時の母趾角度（赤）へと母趾が動いていることがわかります。右足には見られません。
このことから、歩行時に母趾の付け根の関節（中足趾節関節）には負担がかかっていることが予測されます。
これがすべてではありませんが、これも歩行中、歩行後の痛みの原因の一因になっている可能性があります。

今後の治療方針としては、足全体の徒手による治療にあわせて、適切なシューズのフィッティング、履き方の指導、インソール、ソックス療法などを随時試していきます。

治療のポイントは、歩行時の安定性を高めて、母趾の付け根への負担を減らすこと思います。それまでは、歩き過ぎには注意をしていただくようにお願いしています。

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